その痛み、血行不良ではなく「組織の癒着」が原因かも?
- 竜祐 久保田
- 9月22日
- 読了時間: 7分

こんなつらい症状、いつまで続くとお悩みではありませんか?
長年、肩や腰の痛みに悩まされているあなたへ。 もしかして、このようなことでお困りではないでしょうか?
マッサージに通っても、気持ちいいのはその場だけですぐに症状がぶり返してしまう。
自分でストレッチを頑張っても、痛みは一向に改善しない。
整形外科でレントゲンを撮っても「特に異常なし」と言われ、湿布や痛み止めを渡されるだけ。
朝、起きた瞬間から体が重く、痛みで一日が始まるのが憂鬱だ。
「もうこの痛みとは一生付き合っていくしかないのか…」と諦めかけている。
そのお悩み、本当にお辛いですよね。当院に来られる患者様の多くが、あなたと同じように出口の見えない痛みに苦しみ、「どこへ行っても同じだ」と感じていらっしゃいました。しかし、諦めるのはまだ早いかもしれません。あなたのその痛みが改善しなかったのには、明確な理由があるのです。
なぜ、その場しのぎの対処ではダメなのか?
多くの方が「痛みの原因は血行不良」と考え、マッサージやストレッチを試されます。確かに血行不良も要因の一つですが、それだけでは根本的な解決には至りません。
マッサージが気持ちいいのに、すぐに症状が戻る理由
一般的なマッサージや手技は、皮膚に近い「表層筋」にアプローチするものです。施術直後は血行が良くなり、筋肉がほぐれて楽になったように感じます。
しかし、長年のしつこい痛みの根本原因は、もっと奥深く、手技では届かない「深層筋」や「関節包」といった組織に潜んでいます。例えるなら、表面の土をいくら丁寧に耕しても、地中深くに固い岩盤が残っていれば、またすぐに土地は固くなってしまうのと同じです。表面的なアプローチを繰り返しても、根本原因である「深層の岩盤」がなくならない限り、症状はすぐに再発してしまうのです。
Q. 湿布や痛み止めを使い続けるとどうなりますか?
A. あくまで感覚を麻痺させているだけで、根本原因が進行している可能性があります。
湿布や痛み止めは、一時的に痛みの信号を脳に伝わりにくくするものです。しかし、これは火災報知器のベルだけを止めているような状態にすぎません。痛みの原因となっている**「組織の癒着」という火種**はそのまま放置されているため、水面下で症状は進行し、さらに根深い問題に発展してしまうケースも少なくないのです。
痛みの本当の黒幕「組織の癒着」とは
では、しつこい痛みの本当の黒幕である「癒着(ゆちゃく)」とは一体何なのでしょうか。
Q. そもそも「癒着」って何ですか?なぜ癒着が起こるのですか?
A. 本来は滑らかに動くはずの組織同士が、くっついて固まってしまう状態です。
私たちの関節の中では、筋肉、腱、関節を包む袋(関節包)などがそれぞれ独立した層になっており、本来はサラサラと滑り合うことで体を自由に動かせています。「癒着」とは、この滑り合うはずの組織同士が、糊(のり)でくっついたように固まってしまう状態のことです。
原因は、本人も忘れてしまうような些細な出来事であることが少なくありません。 例えば、満員電車で腕を強く引かれた、重い荷物を不意に持ち上げた、デスクワークで長時間同じ姿勢を続けた、といった**『小さな火事(ボヤ)』**が組織に微細な損傷と炎症を引き起こします。
解剖学的に見ると、この傷を修復する過程で**「フィブリン」というかさぶたの元**のような物質が放出されます。通常、このフィブリンは役目を終えると綺麗に分解されるのですが、血行不良などがあると上手く掃除されずに組織間に残ってしまいます。そして、その残ったフィブリンを足場にして、**Ⅰ型コラーゲン線維という強力な〝糊〟**が作られ、組織同士をガチガチにくっつけてしまうのです。これが癒着発生のメカニズムです。
あなたの痛みはどのタイプ?癒着部位ごとの症状チェック
癒着は、起こる場所によって痛みの出方が異なります。ご自身の症状と照らし合わせてみてください。
関節包の癒着
腕を外にひねる動き(髪を結ぶ、エプロンの紐を結ぶなど)が特に痛くてできない。
じっとしていても、肩の奥の方がズーンと鈍く痛む。
動かせる範囲のギリギリのところで、突き刺すような鋭い痛みが走る。
滑液包の癒着
腕を挙げていく途中、特定の角度で「ゴリッ」という引っかかり感や鋭い痛みがある。
筋・腱・靭帯の癒着
力を入れたり、ストレッチをしたり、特定の動きをした時だけ痛む。
押すと「そこが痛い!」とはっきりわかる場所(圧痛点)がある。
神経との関連
痛みだけでなく、腕や肩甲骨の周りに広がるような痛みや、ジンジンするしびれ感を伴う。
これらの症状に心当たりがある場合、あなたの痛みの原因は「癒着」である可能性が非常に高いと言えます。
根本改善のために本当に必要なアプローチ
この「癒着」の最も恐ろしい点は、「痛みがあるから動かさない → 動かさないから、さらに癒着が進行する」という負のループに陥りやすいことです。
この悪循環を断ち切るためには、手技では届かない深層の癒着に直接アプローチし、**「温めて、剥がす」**ことが必要不可欠です。
そこで当院がご提案するのが、**「深層筋温熱療法(ラジオ波)」**です。
癒着によって固まったコラーゲン線維は、まるで冷蔵庫で冷やして固まったゼリーのようなものです。当院のラジオ波施術は、この硬いゼリーを体の内側からじんわりと温め、ぷるぷるとした柔らかい状態に戻していくイメージです。科学的にも、組織の温度を40℃~45℃に上げることで、コラーゲン線維の柔軟性が著しく向上することが証明されています。
当院では、癒着が起こりやすい腱・靭帯・関節包といった深層組織をピンポイントで温めることが可能なラジオ波治療器を用いています。深層の癒着を温めて柔軟にした上で、専門的な手技を加えることで、固まった組織を効果的に引き剥がし、関節本来の滑らかな動きを取り戻すことを目指します。
ただし、やみくもに動かせば良いわけではありません。特に五十肩のような症状では、病期に合わせたアプローチが極めて重要です。「ズキズキ痛む」「夜も眠れない」といった炎症期には、熱を加えないモードで炎症と痛みの緩和を最優先し、痛みが和らいだ拘縮期・回復期には、温熱と手技を組み合わせて積極的に可動域の改善を目指すなど、お一人おひとりの状態を正確に見極めた上で最適な施術を行います。
まとめ
長年あなたを苦しめてきた痛みの正体について、ご理解いただけたでしょうか。
「痛みの原因は血行不良」というのは半分正解。本当の黒幕は**「組織の癒着」**かもしれません。
癒着は、「痛みで動かせない→動かさないから固まる」という悪循環を生み出します。
一般的なマッサージでは届かない**「深層の癒着」**こそが、あなたの痛みが改善しなかった本当の理由です。
当院の深層筋温熱療法(ラジオ波)は、深層の癒着を**「温めて(ゼリーのように柔らかくして)」柔軟にし、専門的な手技で「剥がす」**ことで、根本的な改善を目指します。
もしあなたが長年の痛みから解放され、仕事や趣味に集中できる毎日を取り戻したいと本気で願うなら、諦める前に一度、当院にご相談ください。なぜあなたの痛みが改善しなかったのか、その本当の理由を知ることから一緒に始めましょう。
【関連ページ】
(この投稿は、以下の科学的知見を参考にしています。)
論文1: Petrofsky, J., et al. (2013). "The effect of heat applied with stretch to increase range of motion: A systematic review". Physical Therapy in Sport.
(解説:温熱とストレッチを組み合わせることが、関節の可動域を改善する上で効果的であることを示したシステマティックレビューです。)
論文2: Page, M. J., et al. (2014). "The Effectiveness of Ultrasound Deep Heat Therapy for Adhesive Capsulitis: A Systematic Review and Meta-Analysis". International Journal of Environmental Research and Public Health.
(解説:癒着性関節包炎(いわゆる五十肩)に対して、超音波による深部温熱療法が有効であるかを検証した複数の研究を分析したものです。)
論文3: Brzezinski, A., et al. (2021). "Post-Operative Adhesions: A Comprehensive Review of Mechanisms". International Journal of Molecular Sciences.
(解説:手術後に発生する癒着のメカニズムについて、分子レベルで包括的に解説したレビュー論文です。)
論文4: Cheong, T. S., & Kim, T. J. (2018). "Pathophysiology and prevention of postoperative peritoneal adhesions". Journal of Korean medical science.
(解説:癒着がどのように発生し、進行していくかという病態生理と、その予防法について論じた研究です。)
論文5: Lowe, W. (2015). "The pain-spasm-pain cycle: a limiting factor in manual therapy". Massage Today.
(解説:「痛みは筋肉の緊張を生み、その緊張がさらなる痛みを引き起こす」という悪循環が、手技療法の効果を妨げる要因であることを解説しています。)




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